DVに関する問題

1 DVとは

DVとは、ドメスティック・バイオレンス(domesticviolence)の略語であり、家庭内暴力のことを言います。

あなたが相手方から暴力を受けている場合(身体的、精神的な暴力を含む)、それ自体が「婚姻を継続しがたい事由」として離婚原因になりますし、また、慰謝料を請求することができます。

ただし、DVの場合には、離婚手続きとは別にあなたまたはあなたの子どもの身を守るための方法をとる必要性も考えなければなりません。

2 身を守るための方法

あなたが、DVを受けていて加害者からあなた自身あるいは子どもを守るためにできることはいくつかあります。

・警察への相談
暴力はそれ自体犯罪ですし、繰り返しなされる場合には、だんだんエスカレートしていくことがあります。
警察に相談することは身の安全を守る上で非常に重要なこととなります

(後に出てくるように、地方裁判所に保護命令の申立てをする場合は、警察等に相談したことが1つの要件になりますので、その意味でも警察に相談することは重要です。また、警察に相談に行っておくことにより、警察自身もあなたの情報を把握することができますので、万が一のことが起こってあなたが警察に連絡をした場合、警察も事情を把握しやすいという可能性があります。)

・各種相談機関への相談
DVに関して相談することのできる公的な機関は、福島県内にも多数あります。


 女性のための相談支援センター
 男女共生センター
 保健福祉事務所

このうち、女性のための相談支援センターには、被害者及びその同伴家族を一時保護するサービスも行っています。
一時的に避難する場所がない人はまずは、このような施設を利用して、安全を確保した上で次の手続に移ることをおすすめします。

3 保護命令とは

保護命令とは、次の5種類の命令を言います。

① 被害者本人への接近禁止
配偶者に対し、6ヶ月間、被害者の住居その他の場所において被害者の身辺につきまとい、または被害者の住居、勤務先等の通常所在する場所付近を徘徊してはならない旨の命令を言います。

② 被害者への電話等禁止
①の命令が出されている期間中、配偶者に対し、以下の行動を禁止することを内容とする命令を言います。
・面会の要求
・その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知りうる状態におくこと
・著しく粗野または乱暴な言動をすること
・電話をかけて何も告げず、または緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、もしくは電子メールを送信すること
・緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、または電子メールを送信すること
・汚物、動物の死体その他の著しく不快または嫌悪の情を催させるような物を送付し、またはその知りうる状態におくこと
・その名誉を害する事項を告げ、またはその知りうる状態におくこと
・その性的羞恥心を害する事項を告げ、もしくはその知りうる状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、もしくはその知りうる状態におくこと

  
③ 被害者の同居の子への接近禁止
被害者本人への①の命令が出されている期間中、被害者と同居している未成年の子への接近禁止を内容とする命令を言います。 

④ 被害者の親族等への接近禁止
被害者本人への①の命令が出されている期間中、被害者の親族その他の被害者と社会生活において密接な関係を有する者の身辺につきまとい、徘徊することを禁止する命令を言います。

⑤ 退去命令
配偶者に対し、2ヶ月間、被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近を徘徊してはならないことを内容とする命令です。

4 保護命令を出してもらうための要件(地方裁判所への申立 て)

あなたが、配偶者からひどいことを言われたとします。

離婚するかしないかという状況下にある夫婦の間ではけんかもあるでしょうし、
ののしりあうこともあるでしょう。
ひどい言葉は「言葉による暴力」と言えますが、
ひどいことを言われたとしても直ちにそれがDVとはいえませんし、
ましてや、保護命令を出してもらうことはできません。

保護命令は、相手方の行動を相当制限する性質を持つものですから、
簡単に出してもらえるわけではありません。

ですから、法は
  ① 配偶者から「身体に対する暴力」、または「生命、身体に対する脅迫」を受けたこと
  ② 将来的な暴力等により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと
を要件としています。

また、
  ③ 女性のための相談支援センターや警察等の公的機関に相談したこと
    (相談をしていない場合は公証人の認証ある供述書面を作成したこと) が要件となります。

5 保護命令の効果

相手方が保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金という制裁が相手に科されることとなります。