周りの人に知られずに解決する為に

YB1_7939 世の中には不倫は文化と悪びれない方もいるようですが、大多数の人にとって不倫はやはり「良くないこと」であり、それ故に「違法な行為」として配偶者からの慰謝料請求や離婚の事由として認められています。

 不倫をしたと周囲の人に知られることはその人の評価を落とすことになりますし、不倫をした人自身も既婚者であれば不貞を理由に離婚を求められることも考えられるなど、生活環境を大きく乱すことになります。

そのため、不倫が発覚した際に金銭的なこととともに多くの方が気にされるのが、家族や職場などにも知られてしまわないか、という点です。

ア 周囲に発覚しないように解決することは可能か

 不貞が発覚した場合、いきなり相手方が職場や家族に連絡をして来た場合は直ちに周りに知られてしてしまいますし、そうでなくとも調停や裁判で度々仕事を休んだりしていては何かあるのではないかと思われてしまうこともあります。相手方と近い関係にあるのであれば、自身の周囲に相談などしてそこから伝わってしまうこともあります。

 そのため、家族や職場などに不貞事実が発覚しないよう解決する方法があるか、との問いに対しては、こうすれば絶対に大丈夫、という方法は残念ながらありません。

 それでも、周囲への発覚を避けるため、可能性を少しでも低く抑えるように行動することが必要になります。

イ 当初の対応、感情に配慮することの重要性

 そのためには、まず相手方からの連絡を受けた際に、どのような対応をするか、という点が非常に重要になります。

 慰謝料の請求は金銭の請求でありお金の問題ではありますが、請求をしている相手方は不貞相手に対しての怒りや不貞を行った配偶者に裏切られた哀しみ等様々な感情を抱え、請求に際しても自身がお金を手にすること自体はもちろんですが、事実を認めてまず謝罪してほしい、不貞の相手方に対し損害を与えたい、といった感情面を重視する人も少なくありません。

 そして、不貞相手の周囲に対し事実を知らせても請求額が増える等の利益は一切ありません。それでも相手の周囲に知らせてやりたい、という方が多いのは感情的な満足を得ることが目的ですので、相手方の感情に対する配慮が何よりも重要といえます。

 そのため、このような相手方から連絡を受けた際、不貞の事実が間違いないにもかかわらず、相手方の言い分を全く無視してしまう、嘘をついて誤魔化そうとする、減額を求める一心で相手方の側にも非があるなどと反論する、ということは相手の感情を害し、最もやってはいけないことです。

 お金を支払いたくはない、払うのであれば少しでも少なくしたい、というのは誰しも考えることですが、そういった自身の事情のみ考えて相手方に対応してしまうと、被害者である相手方は、自分が被害者なのに、加害者が自分の言いたいことだけを言っている、と感じ怒りが増すばかりで何ら良いことはありません。

 不貞事実に間違いが無いのであれば、先ずは真摯に謝罪すること、その上で支払額などに無理があるようであれば支払いの意思があることを伝えた上で減額を求める、といった対応が必要になります。

ウ 協議での解決を目指す

 その上で発覚を防ぐことを重視する場合、まず相手方との協議による解決を目指すことになります。いきなり相手方から訴訟を起こされたような場合はやむを得ませんが、電話や文書での連絡が先にあり、慰謝料の請求や謝罪、離婚をしない場合は今後相手と会わないようにする、といったことを求められるのが通常です。

 最終的に相手方が納得のいく形での話し合いで決着がつき感情的にも満足がいくのであれば、相手方もそれ以上に不貞を言い触らしたりする可能性は、絶対とは言い切れませんが低くなります。また、合意の中で、不貞の事実について言い触らさないよう取り決めをしておけば、相手がそれに違反した場合に逆に損害賠償の問題が生じることにもなります。

 他方で、なかなか話し合いが着かない場合、相手方としては不貞をされた被害者だという意識がありますし、感情的な行動に出るリスクは高くなってしまいます。

 また、裁判等になると、公開の法廷で手続きが行われます。知人が法定を傍聴して発覚、という可能性は高くはないとしても、裁判等となれば手間も時間もかかりますし、裁判所からの書類が自宅に届くようになり、家族に発覚する可能性が高くなります。出廷の為に仕事を休むなど普段と異なる不自然な行動も怪しまれる要因になり得ます。

 相手としては裁判をすることも辞さない、という場合、協議での解決を目指す以上は相手方を納得させる必要があります。裁判所が判断する「妥当な解決」での解決が必ずしも図れるわけではなく、ある程度相手に配慮して譲歩することも必要になってきます。

エ 相手が職場や家族にばらす、と言ってくる場合

 相手方が不貞行為について家族や職場にばらす、と言ってくる場合があります。これまで述べたように、こういった行動は多くの場合は被害者感情が高まったが故のことであり、当初から相手方に真摯に対応することで思いとどまってくれる場合もあります。

 しかし、中には交渉に入った後、有利な条件を引き出すためにこういったことを言ってくることもあります。

 不貞行為を行ったことは一般にはその人の評価を下げるもので、合理的な理由なく職場等に押しかけに不貞の事実を知らせることは、それ自体名誉棄損になり得ます(誤解されている方もいるようですが、虚偽の場合に限るものではなく、真実不貞の関係がある場合でも、名誉棄損となります。)

そのようなことをする、と本人に伝えることは脅迫として民事の損害賠償や刑事罰の対象になる可能性がありますので、相手が交渉を有利にする目的なのであれば、そういった脅迫などには応じられない旨毅然と対応する必要があります。

 相手方に応じてどういった対応が適切かは異なりますが、いずれにせよ相手との遣り取りは録音などの方法で記録を残すようにしておき、冷静に対応することが必要です。


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