DVに関する問題
DVとは
DVとは、ドメスティック・バイオレンス(domesticviolence)の略語であり、家庭内暴力のことを言います。
あなたが相手方から暴力を受けている場合(身体的、精神的な暴力を含む)、それ自体が「婚姻を継続しがたい事由」として離婚原因になりますし、また、慰謝料を請求することができます。
ただし、DVの場合には、離婚手続きとは別にあなたまたはあなたの子どもの身を守るための方法をとる必要性も考えなければなりません。
身を守るための方法
あなたが、DVを受けていて加害者からあなた自身あるいは子どもを守るためにできることはいくつかあります。
警察への相談
暴力はそれ自体犯罪ですし、繰り返しなされる場合には、だんだんエスカレートしていくことがあります。 警察に相談することは身の安全を守る上で非常に重要なこととなります
(後に出てくるように、地方裁判所に保護命令の申立てをする場合は、警察等に相談したことが1つの要件になりますので、その意味でも警察に相談することは重要です。また、警察に相談に行っておくことにより、警察自身もあなたの情報を把握することができますので、万が一のことが起こってあなたが警察に連絡をした場合、警察も事情を把握しやすいという可能性があります。)
各種相談機関への相談
DVに関して相談することのできる公的な機関は、福島県内にも多数あります。
例 女性のための相談支援センター 男女共生センター 保健福祉事務所
このうち、女性のための相談支援センターには、被害者及びその同伴家族を一時保護するサービスも行っています。
一時的に避難する場所がない人はまずは、このような施設を利用して、安全を確保した上で次の手続に移ることをおすすめします。
保護命令とは
保護命令とは、次の5種類の命令を言います。
① 被害者本人への接近禁止
配偶者に対し、6ヶ月間、被害者の住居その他の場所において被害者の身辺につきまとい、または被害者の住居、勤務先等の通常所在する場所付近を徘徊してはならない旨の命令を言います。
② 被害者への電話等禁止
①の命令が出されている期間中、配偶者に対し、以下の行動を禁止することを内容とする命令を言います。
・面会の要求
・その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知りうる状態におくこと
・著しく粗野または乱暴な言動をすること
・電話をかけて何も告げず、または緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、もしくは電子メールを送信すること
・緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、または電子メールを送信すること
・汚物、動物の死体その他の著しく不快または嫌悪の情を催させるような物を送付し、またはその知りうる状態におくこと
・その名誉を害する事項を告げ、またはその知りうる状態におくこと
・その性的羞恥心を害する事項を告げ、もしくはその知りうる状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、もしくはその知りうる状態におくこと
③ 被害者の同居の子への接近禁止
被害者本人への①の命令が出されている期間中、被害者と同居している未成年の子への接近禁止を内容とする命令を言います。
④ 被害者の親族等への接近禁止
被害者本人への①の命令が出されている期間中、被害者の親族その他の被害者と社会生活において密接な関係を有する者の身辺につきまとい、徘徊することを禁止する命令を言います。
⑤ 退去命令
配偶者に対し、2ヶ月間、被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近を徘徊してはならないことを内容とする命令です。
保護命令を出してもらうための要件(地方裁判所への申立 て)
あなたが、配偶者からひどいことを言われたとします。
離婚するかしないかという状況下にある夫婦の間ではけんかもあるでしょうし、 ののしりあうこともあるでしょう。 ひどい言葉は「言葉による暴力」と言えますが、 ひどいことを言われたとしても直ちにそれがDVとはいえませんし、 ましてや、保護命令を出してもらうことはできません。
保護命令は、相手方の行動を相当制限する性質を持つものですから、 簡単に出してもらえるわけではありません。
ですから、法は
① 配偶者から「身体に対する暴力」、または「生命、身体に対する脅迫」を受けたこと ② 将来的な暴力等により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと を要件としています。
また、
③ 女性のための相談支援センターや警察等の公的機関に相談したこと(相談をしていない場合は公証人の認証ある供述書面を作成したこと)
が要件となります。
保護命令の効果
相手方が保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金という制裁が相手に科されることとなります。
家庭内暴力(DV)にはどんなものがあるか?
家庭内暴力としてあてはまるものは以下のとおりとなっています。 被害を受けている方で、身体的虐待を受けている場合には認識しやすいものの、精神的虐待は外から見ても、ひいて自分自身でさえ気が付かない場合が多々あります。
身体的虐待
一方的な暴力行為を指し、例えば今まであった例をあげると、熱湯・水をかける・部屋に閉じ込める・突き飛ばす・殴る・蹴る・押さえつける・タバコの火を押し付ける・唾を吐きかけるなどがあてはまります。
精神的虐待
相手にストレスとなる行為を繰り返し行うことを指します。行動を監視する、子供や身内を殺すなどと脅す、日常的に罵る、無視する、ペットを虐待して見せるなどがあげられます。また、狂言自殺など(別れるなら死ぬという)も含まれます。
性的虐待
相手の気持ちを無視した、一方的に行う性的な侵害行為のことを指します。異常な嫉妬する、性交の強要や避妊をさせないなどがあげられます。
経済的暴力
お酒やギャンブル、女性に生活費をつぎ込む、買い物の決定権を与えない、生活費を渡さない、仕事をやめさせる、家のお金を持ち出す、などがあげられます。
社会的隔離
社会から隔離しようとする行為のことを指します。 電話やメールの発信者や内容を執拗に把握したがる、実家や友人から隔離する、外出を防止するなどがあげられます。
自分自身が家庭内暴力を受けていることに気がつかないケースもありますので、少しでももしかしたらと感じた方は、まずはご相談ください。
家庭内暴力が行われる流れ
なぜ家庭内暴力(DV)が起こるのか? ここでは、家庭内暴力が起こるまでの流れをご説明いたします。 家庭内暴力には、一定のサイクルがあり、蓄積期、爆発期、安定期の三つの期間から構成されています。徐々にエスカレートしていくにつれ、これらの期間を循環するスピードも早まります。
以下が家庭内暴力のサイクルです。
1.蓄積期
優しかった安定期の後に些細なことで起こるようになったり、神経質になってきたりします。女性を自分の思い通りにしたい、支配下におきたいという願望が満たされないことに対してストレスを溜め、内面にストレスを蓄積している期間をさします。
2.爆発期
溜め込んだストレスが限界に達し、突然暴力を振るい始める時期です。暴力の衝動を抑えることができなくなっており非常に危険な状態です。女性の態度や行動が自分の思い通りにならないストレスを発散しており、暴力を駆使して女性を自分の思い通りに行動するように強要してきます。そして、これからも自分の思い通りにコントロールしやすいようにと恐怖心や無力感を植えつけようとするのです。
3.安定期
暴力を振るうことによりストレスが発散され、比較的精神状態が安定している期間です。急に優しい態度になり、突然プレゼントを買ってきたり、「もう二度と暴力は振るわないから」などと優しいことばをかけてきます。ストレスが発散された事により、急に態度が変わりますが、その後、次の暴力に向かってストレスを溜め込んでいく蓄積期に移行していきます。
このように、常に暴力を振るうわけではなく、蓄積期、爆発期、安定期を繰り返し循環し、家庭内暴力は続きます。
相手が優しい時期と暴力的な時期がある場合にはまずは専門家に一度ご相談ください。
DV被害者の陥りやすい心理とは?
DV被害を受けている多くの女性は、暴力を振るわれている最中は恐怖を感じているものの、「これは本来の彼ではない。今が異常なだけであって、本来は優しい人なの」と思ってしまいがちです。安定期にある男性を本来の「彼」だと思ってしまうのです。
そのため、また、暴力を振るわれることへの恐怖や、逃げることの出来ない状態により、無力感に囚われ、暴力から解放されることを諦めるようになってしまいます。「私が耐えればいい」「どうやっても無理だ」という心理に陥ります。
結果として、悪循環に陥ってしまうのです。
一人で悩まずに、まずご相談してください。 一人で解決できないこともあるのです。