不動産の財産分与

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夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産は、いずれの名義であるかを問わず財産分与の対象となり、不動産についても一方の名義で登記されていたり、2分の1ずつや7:3などの持分を定め登記をしていることもありますが、同様に不動産全体が財産分与の対象になります。


また、不動産については、住宅ローンが残っている場合があり、夫婦が連帯債務者となっていたり、一方が債務者で他方が連帯保証人である場合等様々ですが、住宅ローンも借金の一種で、夫婦の離婚は借主側の事情に過ぎず、貸主である銀行などにとってみれば関知しない事情なので、離婚、財産分与をしても当然に住宅ローン関係が変動するわけではありません。
不動産の財産分与についてはこれらの問題を明確にし、処理する必要があります。

ア 不動産を処分する場合

住宅ローンがある場合まず財産としての不動産を残すのかどうか、という問題があります。

不動産を売却して住宅ローンの返済に充ててしまい、売却代金に余りがあればそれを双方で分配、ローンが残るようであれば通常の借金がある場合と同様に処理(名義人が負担、他の分与財産がある場合は分配考慮)、ということも可能で、シンプルな解決方法といえます。

イ 不動産を残し、不動産価値が住宅ローンを上回る場合

不動産を残す場合に、不動産の価値が住宅ローンの残額よりも大きい場合、例えば不動産が1000万円、住宅ローンが500万円残っているとすると、財産分与に際しこの不動産はローンとの差額500万円の価値がある者と評価されます。

他に財産が無い場合、寄与分50%とすると、財産分与としては各250万取得できることになりますが、不動産を残し一方が取得するとする場合不動産を取得する側が500万円の資産を総取りということになるため、他方に対し本来得られるはずであった250万円を別途調達し現金で支払う、遠いうことになります。

ウ 不動産を残し、不動産価値が住宅ローンを下回る場合

不動産価値よりも住宅ローンの残額が大きい(オーバーローン)場合、財産分与における不動産の価値としては0と扱われます。

不動産を売却せず、一方が取得する場合、住宅ローンの支払いを続ける必要がありますが、不動産を取得する側が住宅ローンの名義人である場合、自身が支払を怠れば不動産を失うことになりますし、実際に自分の不動産のためにローン返済をしますので問題はありません。

不動産を取得しない側が連帯債務者や保証人である場合、名前を抜くためには貸主の承諾を得る必要があり、承諾を得られない場合もありますが、少なくとも不動産取得側は支払を続けることがある程度期待できますので、支払い請求を受ける可能性は大きくはありません。

しかし、住宅ローンの名義人でない側が不動産を取得する場合、住宅ローン関係は離婚により何ら変動しませんので、住宅ローンの返済をする者と実際に建物を取得する者が異なってしまいます。

財産分与により不動産を失った住宅ローン借主が返済を怠ってしまうと不動産が売却されてしまう、という関係になり、非常に不安定ですし、住宅ローンを払い続ける側からすると、他の財産等で十分補填がされない場合不公平感が生じます。

住宅ローンの債務者の変更については貸主である銀行などの承諾が必要で、本人に十分な収入があり新たに保証人を立てたり、親族の援助等を受けてある程度の額を一括返済する等何らかの対応をしなければ通常は応じてはもらえません。

どうしても借主でない側が不動産を取得したい、という場合、たとえば住宅ローンの名義はそのままに、実際の支払いは不動産取得者が行うといった方法で対応することになります。


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