Q.離婚原因が妻の不貞の場合でも、親権を取られてしまう?

質問

 妻との離婚を考えています。一般的に親権は母親が有利と聞きましたが、離婚原因が妻の不貞の場合でも妻に親権を取られてしまうのでしょうか?

回答

 協議離婚の場合、子の親権者は夫婦の合意によって決めますので、必ずしも常に母親となるわけではありません。慰藉料等も含めた協議の結果として合意に至れば、夫側を親権者とすることもあり得ます。

 他方、協議、調停での離婚が成立せず、裁判所が親権者の判断を行う場合、子にとって両親いずれの養育によることが望ましいのか、との観点が最も重視されますので、離婚自体について妻に非がある場合であっても、妻が親権者となることはあり得ます。

 一般に親権の争いでは母親が有利といわれるのは、多くの場合夫婦のうち妻が子の養育を実際に担当し子と直接接している時間が長いこと、また別居などの際にも妻が子と同居し養育しているなど、子の養育にあたり妻側との関係がより良好であることが多いためです。

 そのため、たとえば別居に際し妻が子供を置いたまま不貞相手とどこかに行ってしまい子の養育を放棄した、別居が長期に及びその間父親側が子を育てていた、母親による子への虐待があるなどといった、妻より夫の方での養育が子にとって適切であるという事情があれば、夫側で親権を得ることも可能です。


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